【しみ取り化粧品とは】

日本では肌が白く、シミ・くすみがない状態をよいする価値観が古来からあり、色白の女性が好まれるという傾向が強いといえるのではないでしょうか。現在では色白になるための道具として「しみ取り化粧品」が使われますが、昔はウグイスのフンが色白になるための洗顔料として使われていたそうですから驚きです。

人間の皮膚の色は、皮膚中に存在するメラニン色素に負うところが大きいのですが、このメラニンの生成を妨げる、あるいはできてしまったメラニン色素を除去する目的で使用されるのが「しみ取り化粧品」です。しみ取り美白化粧品であることを公表するには、厚生労働省に認可された美白有効成分を含んでいる必要があります。美白有効成分には主にアルブチン、コウジ酸、ビタミンＣ誘導体、ルシノールなどなど数十種類あります。多くの美白化粧品に配合されている美白成分は、メラニンの生成に重要なチロシナーゼとよばれる酵素に直接的、あるいは間接的に働きかけ、メラニンの生成を抑えるはたらきがあるとされています。美白を目的とした美容法には、脱色剤などの化学薬品を利用する方法があり、エステでも皮膚を脱色する施術などが行われていましたが、炎症をおこすなどのトラブル事例が明らかになるにつれて下火になっています。現在はネットショップ等で簡単に手に入る「しみ取り化粧品」の使用が主流となっているようです。

【しみ取り化粧品の種類】

さまざまな種類の「しみ取り化粧品」、「美白美容液」が発売されていますが、大きく分類すると、メラニンの生成を抑制することを目的としたＵＶカット主体の美白化粧品と、すでにできてしまった肌のシミ、黒ずみを除去する目的の美白クリーム、美白美容液に分けられるのではないでしょうか。しみ取り化粧品の使用部位としては、顔の他、身体全体、あるいはバストトップ等のデリケートゾーンの黒ずみを解消するための美白ローションなども販売されています。


【しみ取り化粧品の成分】

「アルブチン」
コケモモや梨、ウワウルシなどの植物に含まれている天然型フェノール性配糖体で、メラニン合成にかかわるチロシナーゼに直接作用し、メラニンの合成を阻害するため、「しみ取り化粧品」などに多く使用されています。

「ハイドロキノン」
ハイドロキノンとは、メラニン色素が沈着して出来てしまったシミ、そばかす、外傷や火傷などの炎症後にできる色素沈着などを、徹底的に美白する「肌の漂白剤」とも呼ばれている成分で、美容クリニックなどでは医薬品としても使用されています。日本では美白化粧品成分といえばアルブチンが有名ですが、欧米ではハイドロキノンが主流です。理由は簡単で、アルブチン以上の効果があるとされているからです。ハイドロキノンの美白力は日本のしみ取り化粧品の多くに含まれるアルブチンの１００倍以上あることがわかっているそうです。このハイドロキノンを配合している「しみ取り化粧品」はたいへん人気が高く、売上げランキングの常に上位を占めているようです。

「持続性ビタミンＣ誘導体」
黒化したメラニンを淡白化する成分の代表格、ビタミンＣ。この美白効果を長時間安定して作用させるために肌の内部で徐々に効果を発揮するように加工された「しみ取り化粧品」成分です。

「ムラサキシキブ果実エキス」
クラツヅラ科ムラサキシキブの果実から抽出される成分で、肌の状態を整える作用があります。メラニンを淡色化させる効果のあるビタミンＣのはたらきを助ける役割があるとして「しみ取り化粧品」にも配合されています。

「フェアクリアライザー」
肌のにごり、くすみを防ぐシラカバ樹皮エキスと、保湿作用のある酵母エキスの複合成分として「しみ取り化粧品」に含まれています。肌の正常な生まれ変わりをサポートする作用があり、メラニンの排出を促進し、美白肌へと導きます。

「甘草フラボノイド」
マメ科の一種で多年草、甘草の根や根茎から抽出したエキス。メラニンの生成する酵素チロシノーゼを阻害するとされるため、「しみ取り化粧品」の原材料として使われています。グラブリジンという成分（フラボノイドの一種）を含んでいます。

「バイオモイスチャライザー」
肌のうるおい保持を担うヒアルロン酸ナトリウムとコンドロイチン硫酸ナトリウムの複合成分で、体内にもともと存在するものなので、肌になじみがよいとされています。美白＋保湿を目指すための「しみ取り化粧品」に配合されている成分です。